闇に隠れて生きる童貞人間。バレずに生きる法をつかめ!
童貞は罪。童貞は悪。童貞は男ではない。童貞は人間ではない。
この現代日本は童貞を汚し、侮辱し、駆逐したがっている。一部の、心ある非・童貞者ですら雑誌やネットで弄ばれる童貞者の惨劇に胸を痛めるほど。「早く人間になりたい」と願うのは何も妖怪な人間だけではない。闇に隠れて生きる童貞人間。闇に隠れて30歳になったのに、いつになっても魔法は使えない。あの伝承も又、一部の童貞勇者だけが獲得したものだったのだろうか。恨めしい、嫉ましいと夜な夜な嘆く「童貞人間」たち。
どうすればこの世界で童貞人間とバレずに生きていけるのか?闇の中にあっても心まで闇に犯されない為にはどうしたらいいのか?童貞人間は、今まさにその手にある能力を最大限に活用して「かりそめの人間」に姿を変え、人間社会を進むしか道はない。その道に差すかすかな光が、真の「人間」になる為の「秘法」が隠されているはずなのだから。
若き童貞人間よ。キミは今、学生か?会社員か?それともニートか?キミはまだまだ女性に会う機会もあるだろう。出会う機会を避けていても、打ち上げ、合コン、サークル集会などと呼ばれるサバト(魔宴、魔女の夜宴)に呼び出される事も少なくないだろう。女性の待つ宴に招かれたキミは、自身が童貞人間である事を必死に隠そうとするだろう。それはそうだ。一番姿を知られてはいけない存在、それが女性だからだ。キミはそれを本能で知っている。知られたら最後、キミが宴の生け贄とされてしまう事も知っている。同胞が生け贄にされた光景も未だ脳裏に浮かぶだろう。しかしキミの本能にも刻まれていない智恵、技法が存在する。それは「童貞」を隠す技だ。哀しいかな、童貞を隠す能力、技法を得るのは童貞を失くした後なのだ。既に必要のない「人間」となった者に童貞を隠す法が授けられるという理不尽な世界なのだ。キミに一握の技法を授けよう。童貞を隠す人間は瞳の動きが異なるのだ。女性を見るよりも自身が見られる事に気を回しているから、視線の軌道が非・童貞人間とは異なって見えるのだ。いわゆる肉食動物から逃れる為の草食動物の視線と同じなのだ。恋愛話などを女性に振られたら最後、童貞人間の取る挙動と発言により、童貞人間の正体は即座にバレてしまうだろう。「女性のタイプは?」「何年恋愛していない?」という質問をされた後、童貞人間には特有の「間」が生まれる事を童貞人間は知らない。知らされていないのだ。すぐに答えが出ないのはいい。ただ無言になるのだけは危険だ!即、宴の供物だ!ではどうする?まずは唸れ!唸る時間を思考時間とするのだ!そしてこう唱えるのだ。「ン~、好キニナッタ人ガタイプカナ」「ン~、ドレクライカナア?」だ!童貞人間はピュアなのだ。だから本当の事を言おうとする。しかしそれは決して口にしてはいけない言葉。だから取って付けのおかしな発言をしたり、やけにテンション高く反応してしまう。それが童貞人間である証拠とされるのだ!そこから宴での童貞狩りが始まるのだ!上記の返答例は、重要な質問ではないと知っているからこそ出せる言葉と、人間となった者だけが持つ落ち着きのなせるワザなのだ。穏やかさ、落ち着き、どの質問にも恐怖しない強き心、これが「童貞人間」から「人間」になれたものだけが持つ能力、オーラなのだ。童貞人間よ、焦るな!落ち着け!「人間」となるその日まで今は耐えろ!